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執筆者の写真pianosonner

盲目のピアニスト

先日、盲目のピアニストでもあり歌手でもある、北田康広さんという方のコンサートを聴いてきました。北田さんはクリスチャンで、教会でもよくコンサートを開いています。コンサートは、講演と演奏をミックスされたもので、キリスト教のお話も含め、北田さんの生い立ちなどもお話ししてくださいました。

今から50数年前。北田さんは、未熟児として生まれます。今よりも医療が発達していなかった時代。未熟児網膜症の医療ミスなどが重なり、5歳で失明されました。突然、世界が消灯されたようにぱっと真っ暗になったことを覚えているそうです。北田さんの目がなんとか治らないかとあちこち奔走されたお母様は、理解を得られなかった父親とやがて離婚をすることになり、北田少年も大変苦労をします。学校は寮生活。お菓子もジュースも許されない少年時代。いじめにもあったそうです。そんな北田さんが、高校生になった時に出会った先生により、人生の目標ができます。小さい頃から好きだった音楽、楽器に触ること。独学でしか練習をしてこなかった北田少年の背中を先生が押してくれ、武蔵野音楽大学のピアノ科に入学、卒業。すごいですよね。コンサートでは、ピアノ曲と歌を披露してくださいました。

伴奏をされていたのは、音楽大学時代に出会い結婚された奥様。目が見えなくても、ピアノを巧みに操り、美しい音色を奏でる北田さん。盲目のピアニストは辻井伸行さんなど有名で素晴らしい演奏家もいらっしゃいます。細かい音符の配列を、どうやって覚えられるのだろう?と不思議に思いますが、失った視力を補うように、他の感覚が優れているのでしょうね。そして、並々ならぬ努力。人一倍努力、練習をされたに違いありません。音楽や歌はもちろんですが、障害(立ちはだかる壁)を乗り越えて生きる力について多いに学ばせていただき、刺激を受けたコンサートでした。

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